ストロボエイジを取り戻せ
読書は好きだが、読むのは専ら小説だ。
漫画はあまり読まない。
家に全巻揃っている漫画は『DEATHNOTE』『君に届け』『闇金ウシジマくん』『ストロボ・エッジ』だ。
温度差。
ちなみにストロボ・エッジは妹のものであるため私は読んでいない。
ここが問題なのだ。
家にある小説はジャンルを問わず全て読んでしまう。父が買ってきたものであっても、妹の読書感想文用であってもだ。
場合によっては持ち主より先に読破することすらある。
もちろん自分でも買う。今読むためのものだけでなく、ストックも常備していないと心許ない。
本を何冊かまとめ買いすると、「これで暫くは生きながらえるな。」という気分になる。
これほど読書に飢えているのに、なぜ漫画は読まずにいられるのだろう。
本であることに変わりはない。むしろ絵がメインであるため小説よりも遥かに読みやすいはずだ。
漫画が嫌いな訳では無い。子供の頃は毎月『ちゃお』を買ってもらっていた。
そこで、妹に借りてストロボ・エッジを呼んでみた。
3ページ目で心が折れそうだった。
1話を読み終わり、自分が漫画、特に少女漫画に惹かれない理由を思い出した。
自分をどういう位置付けで読めば良いのかわからないのだ。
世の人々はどういう視点で歯の浮くような甘酸っぱい世界に入り込むのだろう。
主人公に自分を置き換えて疑似恋愛を楽しむのだろうか。
しかし少女漫画の主人公とは、軒並み純粋で鈍感で器量が良く知らず知らずのうちに人気ものの男の子と仲良くなれるスペックの持ち主だ。
自分と共通項が見当たらない。
見当たらないどころか、あの度の過ぎた天然ぶりには時折イラッとしてしまう。
それならば客観視していれば良いのだろうか。
そう思って2話目で実践してみたところ、結構ハマった。
2話は女の子が言われたいセリフやされたいイベントが多くでてきたこともあり、胸キュンのなんたるかを指南された気分だ。
ただ、この視点だと自分自身が作中の男の子達に惹かれることが全くない。若者の恋愛を冷やかす近所のおばちゃん状態だ。
これで良いのか。
1巻を読み終わった今、2巻目に入るかどうかは正直悩みどころだ。
面白いとは思う。ストーリーは王道で、セリフやエピソードは女の子の憧れが詰め込まれている。絵柄も可愛らしいし、模範的でクラシカルな少女漫画だ。
現実にはありえないご都合主義だとは思うが、それは少女漫画に限ったことではない。
むしろミステリの方がよっぽど奇跡に近いほどの好都合で物語が展開するし、戯曲の方がよっぽど有り得ない展開で恋に落ちる。
問題は私にあるのだろう。もう少女漫画に純粋にときめくことが出来るほど若くないのだ。
それでも面白いと思う折はあるのだから、10巻全て読めば魅力を理解できるかもしれない。
春休みの読書リストに組み込むことにしよう。