シーシュポスの岩
成人式を1月中旬にやるのは如何なものか!
寒いし、期末考査前だし、何よりお正月の直後ではないか。
年の瀬にはクリスマスのチキンやケーキ、忘年会や年越しそばなどが軒を連ねていた。
食べ癖がついたまま新年を迎えると、今度はおせち、餅、和菓子、お雑煮、新年会…。
寒さに備えて脂肪を溜め込むこともあり、1年のうちで最も太りやすい時期だと言えよう。
なぜ、そんな時に、一生の思い出に残るイベントをするのか。
振袖は髪をアップにするため顔の輪郭がハッキリ出るし、同窓会のパーティドレスに至っては体のラインまで目立ってしまう。地獄か。
元々太りやすい、というか太っていた私にとって、これは由々しき問題だ。
ダイエットとまではいかずとも、必要以上に脂肪を蓄えることは避けなければならない。
この便利な時代、YouTubeにもTwitterにもエクササイズの方法は溢れている。特別な施設や道具がなくとも、思い立ったらその場でできる手軽なものばかりだ。
あとはやる気の問題なのだ。
やってはいる。なるべく習慣化してはいる。
しかし如何せん運動嫌いなため、楽しんで取り組んではいない。
そのためやり始めるまでにうだうだと時間をろうひしているし、時折やりながら虚無感に襲われる。
それら一連のエクササイズを終えたあと疲れと空腹感からお菓子を食べてしまうことすらある。最悪だ。本末転倒だ。
かのドストエフスキーはシベリアに流刑になった際、穴を掘らされ、掘り終わった側からその穴を埋めさせられるという絶望的に生産性のない拷問のような作業をさせられたそうだ。
私は自ら進んでそれをしていると言っていい。
頑張って消費したカロリーを消費した側から摂取している。なんなら消費カロリーを上回るくらい摂取してしまっていることもある。
なんたる無駄の極み。
いっそ運動せずに断食した方が楽なのではないかと思うが、食べないダイエットに良い思い出が無い。
それに、空腹を我慢するとやたらと神経質になったり、食べ物のことばかり考えてしまったりして精神衛生上よろしくない。
ていうか三食食べたい。
自分に甘い私の目標は、「エクササイズを続ける」「間食を減らす」「菓子パンを控えてご飯にする」といったところだ。
ダイエットは一生物だと言う人もいる。そのことを考えれば、頂上まで押し上げた側から転がり落ちる岩を何度でも頂上まで押し上げ続ける拷問はダイエットを体現しているとも言えるだろう。