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独りよがりで良いじゃない

pelo pero perro

響きが可愛い言語と言われて何を思い浮かべるだろう。

中国語では、「母親」は「まーま」、「秘密」は「みーみ」と言うそうだ。日本語と少し似ているところもあるが、柔らかいま行の可愛いらしさがある。

 

フィンランド語では、「こんにちは」は「もい」、「さようなら」は「もいもい」と言うらしい。日本人が言ったらあざとい。ゆるキャラのようだ。

 

私は大学で、第二外国語としてスペイン語を学んでいる。そして思うに、スペイン語の響きは日本人にとって可愛くないものが多い。

もちろんスペイン語の学習に全く不満はないし、むしろ好きな授業だ。

 

ただ、響きが可愛くない。

 

そもそも「可愛い」という言葉がスペイン語では「グアパ(男性ならグアポ)」だ。

カエルの鳴き声っぽさが否めない。

 

「美しい」は「べジャ(男性ならベジョ)」だ。何かがひしゃげた時の音に聞こえる。

 

愛を語るにも不向きな響きが多い。

まず、「キス」は「ベソ」だ。

日本人が「べそ」と聞いて思い出すのは「泣きべそ」か「でべそ」くらいなものだろう。

 

「君が欲しい」というポピュラーな口説き文句は「テ キエロ」だ。

口説いてるのに消えろって言っちゃってる。

 

スペイン語で愛の告白をする予定など無いのだから気にする必要も無いのだが、気になるのには訳がある。

授業で時々、先生がスペインの曲を聴かせてくれるのだ。

教材向けの童謡などではなく、若者向けの流行曲だ。曲調も、思わず口ずさみたくなるようなキャッチーで洒落たものばかりだ。

しかし、流行りの曲となるとやはり恋愛にまつわるものが多い。つまり、歌詞の響きが日本人向けではないのだ。

勉強にもなるし、なにより外国の歌を歌えたらかっこいいと思うのだが、ものによっては面白さが勝ってしまう。

 

有名どころだとLuis FonsiのDespacitoは曲中に「スベスベ」と何度も言っている。お肌。

 

それでも、前述の通りスペイン語は大好きだし、先生が曲を紹介してくれるのも楽しみにしている。

響きが面白いのはこちらの都合だし、曲の良さには関係ない。

 

それに、スペイン語にも可愛い響きの単語はある。タイトルがまさにそれだ。

巻き舌の有無はあれど、全て「ペロ」と発音する。『長靴をはいた猫』や『コジコジ』を連想させて可愛い。

 

 

 

 

 

 

ちなみに意味は「髪の毛」「しかし」「犬」だ。