withme

独りよがりで良いじゃない

泥棒捉えて縄を綯う

生まれて初めて香水を購入した。

JILLSTUARTのヴァニラ ラスト オード パルファンだ。

当初の予定では、おしゃれな雑貨店で1,000円前後のボディミストを買うつもりだった。しかし悩んでいるうちに気がついたら百貨店で6,000円の香水を買っていた。何を考えているんだ私は。

今まで香水をつけたことが無いにもかかわらず、そこまでこだわる意味はあったのか。もしくは、今までつけてなかったからこそ妥協できなかったのか。

香水と縁がなかったのは家族が香水嫌いだからだ。母や祖母は芳香剤呼ばわりしている。

そんな環境で育ったためか、私自身もあの人工的な香りをずっと嗅いでいると気分が悪くなることがある。実際今日も、香水を選ぶために色々なテスターを試していたところ少し頭が痛くなった。

香水というと花や柑橘、石鹸といったものがベースになっていることが多い。私はそのどれにもピンとくるものが無かった。いい香りだとは思うのだが、ずっと身にまとっていたいとは思えなかったのだ。

いったいどんな香りが良いものかと考えを巡らすうちに小腹が空いてきて、途中でパフェ休憩を挟んだ。甘いもの好きの私にとって、ティータイムはショッピングと同じくらい大切なのだ。

パフェを食べながら、お菓子のような甘い香りを身にまとえたら幸せなのではないかと閃いた。短絡的かつ子供じみた発想だが、結果的には大正解だった。

世の中同じような考えの人は一定数いるようで、バニラの香水がいくつか見つかった。その中で1番気に入った香りが贔屓にしている化粧品ブランドのものであったため、ほぼ即決で購入に至った。

可愛い瓶に入った可愛い香り、可愛くないのはお値段だけだ。しかし前々回の記事で述べた通り、金は使わなければ価値を発揮しない。6枚の紙切れなど、振ろうが擦ろうが燃やそうが良い香りにはならないのだ。妥協して気に入ってもいない商品を購入する方がよっぽど金の無駄だろう。

そんなこんなで頬を緩めながら帰宅し、意味もなく何枚か写真を撮り、試しに使ってみて理想の香りに感動し、思う存分香水デビューを楽しんだ。家族の反応が心配だったが、思いのほか好評だったことも嬉しかった。

 

問題は、今更「香水 付け方」「香水 付ける位置」「香水 使い方」で検査していることだ。半ば衝動買いの甘い香り、宝の持ち腐れにならないことを祈る。