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独りよがりで良いじゃない

ニ、ゼロ、イチ、ハチ

鳥頭なりに今年がどんな1年だったか振り返ろうと思う。

今年は小説を多く読んだ。もともと本は好きだが、自分の好きな小説だけでなく、人から勧められたものや授業で扱われたものなどに挑戦した。

友人の勧めで読んだ中で最も面白かったのは綾辻行人の『十角館の殺人』だ。

真犯人が明かされたとき、予想外すぎて脳が追いつかなかったし、読んでいる最中に抱いていた些細な違和感が伏線として鮮やかに回収されていく様には鳥肌が立った。

これ以来、彼の他の作品にも挑戦したいと思っているのだが、ミステリは一気に読まないと緊張が保てない。まとまった時間が取れるまではお預けだろう。

 

授業で興味が湧いて読んだ中で最も面白かったのはトルーマン・カポーティの『ティファニーで朝食を』だ。

ティファニーという華奢なアクセサリーブランドのイメージと、映画版のオードリーヘップバーのイメージから小洒落た恋愛小説を想像していたが、そういったものとは大きく異なる物語だった。お転婆な美人と冴えない主人公のラブストーリーというとありがちに聞こえるが、ヒロインの生い立ちは悲劇的なものだし、2人の恋は純愛とは言い難い。しかしだからこそ惹かれるものがあった。登場人物の不安定さもこの作品の魅力であり、彼らに会うために何度も読みたくなる。

 

また、今年は自分の英語に少し自信が持てるようになった。

私は大学で英語を学んでいるが、1年生の頃は自身の英語の拙さに絶望していた。

ネイティブの先生に話しかけられても相槌と愛想笑いしかできないため、極力目が会わないように避けていた。先輩方が彼らと楽しげに話しているのを見ても、自分がそうなれるとは到底思えなかった。同級生の中にも彼らと臆せず会話している子はいて、その度に惨めな気持ちになった。

思い返してみると辛かったな1年生。

それでも毎日大学に通ってたあれば少しずつでも上達していくようで、次第に人前で英語を話すことに抵抗を感じなくなった。今では楽しんでいると言っていい。

自惚れているとは思うが、自惚れられる程度には努力が結果に出ているのだ。喜ぶと同時に、ここに甘んじることなく学び続けなければならない。

 

もちろん上記に挙げたものだけが今年の全てではない。良い事も悪い事も数え切れないほどあった。忘れてしまった出来事や、これから忘れていく思い出も沢山あるのだろう。

 

いつも通りの毎日を過ごしていると思っているうちに、日々物事は変わっていく。

少し寂しいけれど、変化があるのは生きている証拠だ。

来年も楽しんでいきましょう。