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独りよがりで良いじゃない

ホットケーキミックス

お菓子作りをする際にまず厄介なのは、材料集めだ。生クリームやバターは値が張るし、ベーキングパウダーやドライイーストは使い切るのが難しい。アーモンドプードルやスキムミルクに至っては正体すらよく分からない。

そこで便利なのがホットケーキミックスだ。クックパッドを見れば一目瞭然、ホットケーキミックスはケーキにもドーナツにもクッキーにもスコーンにもパンにも化ける。ものによっては卵や牛乳を使わなくとも作ることが出来るため、アレルギー体質の子にも優しい。

何より、味が安定している。企業があらかじめ甘く美味しく膨らみやすいように様々な粉をバランスよく調合してくれているのだから当たり前だ。素人が一生懸命に粉をふるって順番を守って作ったところで敵うはずがない。

しかし、それで良いのか?

下手の横好きながらもお菓子作りを趣味とする者としては、なんでもかんでもホットケーキミックス任せにしていると悪魔に魂を売ったような気分になる。

そもそもホットケーキミックスを使っている以上、ケーキのように見えてもそれは丸いホットケーキ、ドーナツは揚げたホットケーキ、クッキーは硬いホットケーキ、スコーンは硬めのホットケーキ、パンは大きいホットケーキではないのか。いくら美味しいとはいえ、それでは食べてくれる人を騙してるような気分になる。

だからと言って、ならばお前は一から美味しいものが作れるのか、時間や手間は惜しくないのか、と言われれば反論できない。

安くて手軽で美味しいなら、屁理屈こねないで生地こねた方が作り手も貰い手もみんなハッピーだ。