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独りよがりで良いじゃない

新三大欲求

人間はもはや動物ではない。

という結論に先日友人と話していて至った。

 

人間には動物の本能及び三大欲求に逆行した行動が多いのだ。

 

人間以外の動物はダイエットも避妊も自殺もしない。

生命活動のために食事をとり、種の存続のために生殖を行い、生存本能に従って命を守ろうとするのだ。

至極真っ当、合理的を通り越して前提条件だ。

 

しかし人間は、高度な知性を持つが故に、一周回って意味の分からない行動に走っている。

 

熱量を得るためにするはずの食事からカロリーをカットする。

不要な運動で余計にカロリーを消費する。

繁殖行為に細工を施してその達成を妨げる。

 

知的生命体として、本能を理性でコントロールするのは偉大なことだ。

誰も彼もが欲望の赴くままに生活していたら社会は崩壊する。いや、そもそも社会など出来上がらなかっただろう。

 

しかし、人間は手段を目的と逆転させている。

 

動物がダイエットを行わないのは、生きるために必要な栄養以上はとらない、ないしはとれないからだ。

人間だけが食べることそれ自体に楽しみを見出し、それゆえ過剰にカロリーを摂取してしまう。

そうして今度は痩せることに執心し、食べても栄養にならないものを敢えて作り出したり、目的地もなく歩いたり走ったり泳いだりする。

 

人間以外の動物から見たら狂気の沙汰だ。

 

偉そうなことを言っているが、なにも批判をしたい訳では無い。

というか、食事に楽しみを見出して食べ過ぎるのも、ダイエットのために蒟蒻ゼリーやらファスティングやらに手を出すのも、他でもない私自身のことだ。

 

現代において、これはもはや人の性だろう。

 

しかし、これが人の性なら人間の三大欲求は成立しなくなる。

 

そこで勝手に、現代人にとっての三大欲求とは何かを考えてみた。

 

①知識欲

これは現代人に限らず人類全般に当てはまるかもしれない。

これがあるからこそ人類は他の動物から群を抜いて賢くなり、あわや動物卒業だ。

 

②所有欲

ヒトモノカネといった目に見えるものだけでなく、愛や時間や地位や名誉、とにかくあらゆるものをが抱えきれないほど欲しがる。

そして何故か、手に入れれば入れるほど不安になり、さらに欲しいものが増える。

 

③承認欲求

相手のことが欲しいだけでなく、相手に自分のことを受け入れても欲しい。

しかもその相手とは自分の好きな人や尊敬する人だけでなく、自分のことを見ている人全員だったりする。

 

 

動物の本能としての三大欲求には逆行しているが、結局新たな欲求に対して私達はどこまでも貪欲だ。

 

そういう意味では、人間はやはり動物だった。