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独りよがりで良いじゃない

冬はつとめない

今朝は道が空いていた。電車も空いていた。人に押しつぶされ足を踏まれ前にも後ろにも進めずフラストレーションを溜めているいつもの朝に比べ、なんと快適!

 

 

祝日なのだから当たり前だ。世の人々は日頃の勤労に感謝して今日はお休みだ。 父も母も、受験を控えた妹でさえ、私が家を出る時ベッドからすら出ていなかった。

まだ仄暗い朝の5時に目を覚まし、氷のような手で洗顔やら着替えやらを済ませ、冷え切った部屋で朝食をとり、ヘアアイロンで暖を取りながら身支度整えていつもより早めに家を出た。電車も休日ダイヤになるからだ。いつもの時間に遅れないためにはいつもより早い電車に乗らなければならない。そして無駄に早く大学に着く。

今日は本当に祝日なのか、どちらかと言うと呪日ではないか。

それでも今朝、自分の吐く息が白くなっていることに気がつくと、冬の訪れを感じて少し胸が踊った。こういう風に季節を感じる出来事があるとと、冬も悪くないと思える。

そんな思いで一限の教室に行くと、友人に「寒い時に息が白くなるのは空気が汚い証拠」と言われた。

サンタクロースの正体が親だった知った時のような衝撃。綿菓子は1晩経てば萎むと知った時のような絶望。布団を干した時のいい香りはダニの死骸の香りだと知った時のような落胆。趣も何もあったものでは無い。朝からのぼりたくもない大人の階段をのぼってしまった。

かの清少納言は冬の早朝が大好きだったそうだが、そこに趣を見いだせるほどの余裕も風情も持ち合わせていない私は、冬の夙めてには努めない。