firmy? fluffy?
オムライスやプリン、パンケーキを巡る、しっかり派ふわとろ派論争。
この戦いはきのこたけのこ戦争にも負けないほど決着がつかない。
全て、もともとはしっかり焼いてあるものがスタンダードだった。
オムライスと言えば、薄く焼いた卵生地でケチャップライスを包んだもの。
プリンと言えば、固めた卵液にカラメルソースをかけたもの。
パンケーキと言えば、平らに焼いた生地に蜂蜜や生クリームを乗せたもの。
しかし近年、ふわふわとろとろの新形態が人気を博している。
ナイフで切り込みをいれると半熟玉子が広がるオムライス。
スプーンからこぼれ落ちるほどとろとろのプリン。
ナイフを使わずに食べることが出来るふわふわのスフレパンケーキ。
これらは爆発的に世間に広まり、既存のオムライス界、プリン界、パンケーキ界に革命をもたらした。
あまりの人気に、従来のものを支持する人々から「邪道だ」と糾弾されたほどだ。
すっかりふわとろ系が世間に馴染んだ今でも、未だに論争は続いている。
卑怯だとは思うが、私はどちらも好きだ。
しっかり焼きオムライスは王道だ。ケチャップは甘めで主張が激しくないため、玉ねぎや鶏肉といった具材一つ一つを味わうことが出来る。
対するたんぽぽオムライス、ナイフを入れる時の胸の高まりは特別感を与えてくれる。デミグラスソースと半熟玉子が混ざり合って調和している。
固めのプリンは食べ応えがある。乳成分よりも卵の割合が多いため、ごまかしのない卵の美味しさを感じられる。
対するとろとろプリン、ほとんどクリームのような濃厚な味わいは至高の贅沢だ。柔らかな舌触りであっという間に完食してしまう。
平焼きパンケーキはオールマイティだ。シンプルな生地であるため、自分の好きなソースやフルーツをトッピングして欲望を100%具現化することが出来る。
対するスフレパンケーキは、自分では再現し難いふわふわくしゅくしゅとした食感が楽しい。生地それ自体の優しい甘さが、どんなトッピングとも調和する。
文字に起こすだけでお腹が空いてきた。
春休みも美味しいものを探し求めていこうと思う。